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文書作成日:2023/08/05
身近にあふれる「経皮毒」にご注意を

経皮毒(けいひどく)という言葉をご存じでしょうか。洗剤や柔軟剤などの香りも、経皮毒のひとつです。今回は、社会問題にもなっている香害をはじめ、日用品から身体に侵入する経皮毒についてまとめています。

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経皮毒の正体とは?

 経皮毒とは、全身の皮膚や鼻、目などを通して体内に侵入する毒のこと。その毒とは、日用品に含まれる人工的に作られた有害な化学物質(ここでは自然によって作られた化学物質は除く)であり、不調や病気の原因になっています。目にみえない分、知らずに体内に取り込み、症状に苦しんでいる人がいらっしゃいます。皮膚や気管などから侵入する場合は血液から全身をめぐり、体内に蓄積される危険性があるといわれています。

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経皮毒が心配される日用品とは?

 現代社会では、暮らしの中に経皮毒につながる日用品があふれています。

○掃除・洗濯アイテム

 トイレ・お風呂などの洗浄剤、洗濯洗剤、柔軟剤、食器洗剤、消臭剤など。
 洗剤類の人工香料はマイクロカプセルとして空中に浮遊するものもあり、呼吸や皮膚などから取り込んでしまう危険性があります。部屋中にふりまく消臭剤も、合成香料や除菌成分などの化学物質を含むため、使い続けることでアレルギーを発症する場合があります。

○ケアアイテム

 合成シャンプー、入浴剤、歯磨き粉、ナプキン、化粧品、白髪染めなど。
 ケアアイテムを毎日素肌に使うことで、合成界面活性剤、シリコン、フッ素などの化学物質を取り込むことになります。特に、頭皮や陰部は経皮吸収率が高く、毒を吸収しやすい部分なので、ふれるものには特に注意したいものです。

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経皮毒と考えられる症状とは?

 経皮毒が疑われる症状は数多くあります。気になる症状が続く場合は、身近な日用品を改めて確認することも大切です。

  1. 皮膚トラブル
    乾燥、湿疹、かゆみ、薄毛など、症状がなかなか良くならない場合は、肌にふれるものによる影響が考えられます。
  2. アレルギー症状
    アトピー、喘息、花粉症、鼻炎などのアレルギー症状に悩まされている場合は、使い続けている日用品に原因があるのかもしれません。
  3. 中毒症状
    頭痛、吐き気、めまい、失神などの中毒症状は、経皮毒の中でも重症化しやすいため、早めに原因を特定する必要があります。
  4. さまざまな病気の原因
    脳に関する病気、認知症、学習障害、不妊症など、さまざまな病気の原因のひとつに経皮毒があると考えられています。
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経皮毒から身を守るために

 気になる症状がある場合は、低刺激なアイテムに置き換えていくのがおすすめです。中でも、頭皮の経皮吸収率は、腕の皮膚の3.5倍ともいわれているため、白髪染めは気を付けたいところ。最近は低刺激な製品で髪を染める人、グレーヘアーを楽しむ人も増えてきています。また、口の中の皮膚の経皮吸収率は、腕の皮膚の10〜20倍もあるため、歯磨きやマウスウォッシュなども慎重に選びたいものです。

 その他、皮膚にふれる下着類も経皮毒の原因と考えられています。コットンや麻、シルクなど、天然の素材に変えていくのも選択肢のひとつです。

 ただし、天然素材だからと言ってアレルギーが起きないとは言い切れません。合成のもの、天然素材であっても、何か異変を感じた場合は使用を止め、必要に応じて専門医にご相談ください。健やかな毎日のためにも、ご自分に合った安心なものを揃えていきたいですね。

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